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ゼンソク人間学 with Sankei Shinbun
No.10

ぜんそく…
患者数は年々増加の傾向

ぜんそくによる死者は減っても発症数は増え続けている。その大きな要因に環境の変化がある。ペットとどう付き合ったらいいか、そして治療を継続するためにはどんな工夫が必要かについて語ってもらった。

治療継続でつらい症状から解放を

寺川:ぜんそくの治療法が進歩したおかげで死者は減っているのでしょうか。

浅本:はい、確かに吸入療法の普及でぜんそく死は減りましたが、私の著書『喘息と共に快適に生きる』でも指摘したように、ぜんそくの患者数は年々増加傾向にあります。とくに小、中、高生の発症が増えています。

寺川:驚きですね。

清潔な世の中に
大きな落とし穴が

浅本:ひとつには世の中が清潔になり過ぎて、子供たちの体質がアレルギーになりやすくなるからです。この場合のぜんそくはアトピー型ですね。昔は子供は泥遊びをしたり、地方では牛や馬と触れ合ったりして、ばい菌と接触することが多いためアレルギー体質になりにくかったのです。文明国ではぜんそくになりやすいのです。

寺川 綾寺川:私はいま、子育てに追われていますが、「小さいうちに動物園に連れて行った方がいいよ」とママ友に言われて、そうしました。そういう理由があったのですね。

浅本:衛生仮説という学説で説明されています。

寺川:清潔すぎるのも逆によくないのですね。

浅本:もう一つ、注意することは室内のペットです。ネコなどのペットにはアレルギーの抗原が含まれています。以前は「ペットを飼うのはやめなさい」と患者さんによく言いましたが、ペットは家族の一員なんですね。だから、治療しながら「ペットを他の部屋に移すなど工夫してください」と話すようにしています。

寺川:ペットのことも気をつけます。

医師・患者間の信頼
継続率に大きく影響

浅本 仁浅本:ぜんそくの治療で問題なのは、吸入療法を継続するのが難しいことです。医師が「こうやりなさい」と指導しても、患者さんはなかなかやってくれない。なぜ、継続率が低いかというと、医師と患者の信頼関係が不足していることもあります。継続しないと発作になって救急で運ばれるケースも出てきます。

寺川:それは大変ですね。

浅本:吸入の仕方が適切に行われていない場合、こんなたとえを患者さんにします。「台所で火事になっているのに風呂場に水をかけているようなものですよ」と。患者さんは次第に納得してくれます。理解してくれれば継続につながっていきます。

寺川:大きな目標を持てば、病気の治療も継続できると思います。私は競泳の日本代表になったことで呼吸器の検査を受け、ぜんそくと診断されました。子供のときのぜんそくが再発していたんですね。そこで初めて治療に向き合う選択をしました。

浅本:継続が大切なあまり、「言ったことをなぜやらないんだ」と患者さんを怒ったことがありました。今は患者さんとよく話し合い、「治療を続けるように一緒に考えましょう」という姿勢に変わりました。ガイドラインによる治療方法が前提ですが、患者さんに合わせた個別化医療の方法を実践しています。

浅本 仁
プロフィール
  • 浅本 仁

    浅本 仁(あさもと ひとし)

    浅本内科医院院長
    京都大学医学部卒業。京都大学医学部胸部疾患研究所(大学院)、豪州メルボルン大学医学部免疫研究所留学、国立京都病院呼吸器科医長、京都大学医学部呼吸器内科臨床教授などを経て、現在、浅本内科医院院長。

  • 寺川 綾

    寺川 綾(てらかわ あや) ロンドン五輪で2つのメダル

    大阪府出身。高校2年の時に出場した2001年福岡世界水泳で注目を浴び、04年アテネ五輪200メートル背泳ぎで8位入賞。12年ロンドン五輪では100メートル背泳ぎと4×100メートルメドレーリレーでそれぞれ銅メダルを獲得。1児の母。ミズノ所属。

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