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特集 二宮清純のゼンソク人間学

シリーズ2 vol.12 後半 喘息を正しく理解すること

満点まであと一息

桑平: それでは今の状態を確認するために喘息コントロールテストを実施してみましょう。

二宮: 結果は……25点満点中、24点。非常によくコントロールされているということですね。診断は「順調です。あと一息」となります。

谷川: ただ最近、空気も乾燥してきているからか、朝方に乾いた咳が出ます。

二宮: 先生、それはどういうことでしょうか?

桑平: ちゃんと覚えているということは、咳で目が覚めているわけですよね。24点ならば、かなりコントロールされていますが、少し喘息の症状が出ていると考えていいですね。

二宮: 24点の説明には「あなたの状態は良好な状態ですが、完全な状態ではありません。ちゃんと医師のアドバイスにより治療を継続してトータルコントロールを目指しましょう」とあります。

桑平: 満点になるよう治療していけば、もっと良くなってくると思います。次はピークフローメーターで気管支の状態も調べてみましょう。

谷川: これを吹けばいいんですね。フーーーーッ。

桑平: 450。いいですね。今やり方がわかったので、もう1回やってみましょう。

谷川: わかりました。やりましょう。フーーーーッ。

桑平: すごいですね。480が出ました。女性ではなかなかこの数字は出ませんよ。

“隠れ喘息”は多い?

谷川: ところで最近、喘息の患者は増えているのでしょうか?

桑平: トータルでは増えているとは思いませんが、たとえば谷川さんのお母様のように喘息とご本人に知らせない場合もあります。だから把握しきれないんですよね。

二宮: 喘息なのに自分では気付かない人や認めたがらない人もいると聞きます。

桑平: そうですね。喘息でもずっと症状が出ている方から明け方に少し咳が出る方までいますからね。どこまでをカウントするかにもよるので、統計をとるのは難しいんです。

二宮: 喘息と診断する決め手はなんでしょうか?

桑平: 医学的な基準はもちろんありますが、問診の時に何に重きを置くかというと、良い時と悪い時の差がいかに激しいかですね。アスリートであれば、調子が悪いとパフォーマンスは下がりますが、症状が出なければ優勝するとか。医学的には聴診でどんな音が聞こえるかですね。普通のレントゲン写真を撮っても、喘息は写らないですから。

二宮: その他には?

桑平: CTを撮って気道の壁が厚く肥厚している様子を拝見したり、最近では吐いた息の中の一酸化窒素がどのくらいあるかを参考にすることもあります。そういった色々な診断方法を組み合わせて判断する時もありますし、問診で詳しく状況や症状を聞いていく時もありますね。

二宮: 谷川さんは、「あと一息」という診断結果でしたが、改善すればマラソンのタイムも伸びるかもしれません。せっかくですから一度、診てもらったほうがいいでしょうね。

谷川: そうですね。わかりました。ぜひ今度、病院まで走っていきたいと思います(笑)。

桑平先生からのアドバイス

病気に対する正しい認識を
喘息はアレルギーに伴うものもあります。ペットのフケや毛、ハウスダストにも反応します。大がかりな掃除をする際にはマスクをし、換気を行うことが重要です。不安な点があれば、専門医に診てもらいましょう。
きちんとした事前対策を
基本的には完治のない病気です。発作の起きやすい季節には事前に吸入の薬を使って治療を始めておくことで、症状の出ない状態を維持することが大切です。

谷川 真理さん マラソンランナー
福岡県出身。高校卒業後、OLとして一般企業に勤めていたが、1990年に実業団入りし、アスリートへ転身する。91年の東京国際女子マラソンで優勝すると、翌年のゴールドコーストマラソンも制した。94年のパリマラソンでは2時間27分55秒の大会新(当時)で優勝。現在はタレントとして活動する傍ら、市民マラソンに参加。マラソン、駅伝大会を主催し、地雷廃絶チャリティーなどにも一役買っている。

桑平 一郎先生
東海大学医学部付属東京病院 呼吸器内科 教授
東京都出身。東海大学大学院医学研究科博士課程修了。東海大学医学部教授。東海大学医学部付属東京病院呼吸・循環器センター長。医療連携室長。専門は呼吸器内科学、呼吸生理学、環境生理学。日本内科学会認定内科医・指導医、日本呼吸器学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医。

二宮 清純
愛媛県出身。幼い頃から喘息に悩まされる。スポーツジャーナリストとして五輪、サッカーW杯、メジャーリーグ、ボクシング世界戦など国内外で幅広い取材活動を展開中。著書に『スポーツ名勝負物語』、『最強のプロ野球論』、『プロ野球の一流たち』、『天才たちのプロ野球』(以上、講談社)、『勝者の組織改革』、『勝者の思考法』(以上、PHP新書)、『プロ野球の職人たち』(光文社新書)、『プロ野球「衝撃の昭和史」』(文春新書)、『プロ野球 名人たちの証言』(講談社現代新書)、『プロ野球の名脇役』(光文社新書)など。最新刊は『最強の広島カープ論』(廣済堂新書)。

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